Raspberry Pi 5 発表のご案内
英国 Raspberry Pi 財団は、2023年9月28日(木)に、Raspberry Piの次世代モデルとして「Raspberry Pi 5」シリーズを発表しました。
「Raspberry Pi 5」は、歴代の Raspberry Pi シリーズの特徴である扱いやすさや学習のしやすさはそのままに、拡張性や処理速度において大きな進歩を遂げました。
製品の販売は、各国の法令・制度への適合作業が整い次第、その地域ごとに順次開始されます。
本製品は無線機能を有しており、国内での利用には電波法令で定めている技術基準適合証明(技適マークの取得)、または同法令で定められている届け出・手続きが必要となります。
製品発表と同時に、英国 Raspberry Pi 財団より、技適マークを付した日本向けモデルの製造、販売が予定されていることも発表されました。
Raspberry Pi正規代理店であります当店「Raspberry Pi Shop by KSY」(運営: 株式会社ケイエスワイ 代表取締役: 山下慎二)では、日本向けモデルを初回生産分より取り扱い販売いたします。
価格、入荷時期、販売スケジュールは未定ですが、新たな情報が入手できましたら当ページにてご案内いたします。
また、X (旧twitter) でも、随時、情報を発信しています。ぜひフォローしてください。
弊社では技適マークが付されたRaspberry Pi製品のみを取り扱っております。
そのため、当店が販売するRaspberry Pi製品はすべて日本国法令、規制を遵守、適合し、国内で安心してご利用頂けます。
「Raspberry Pi 5」の概要

Raspberry Pi 5 には、Raspberry Pi 財団により新たにデザイン、開発された SoC と周辺機器間の通信を取り持つ専用チップ「RP1 I/O コントローラ」が搭載されています。
これにより、より拡張性を高め、通信パフォーマンスを革新的に飛躍させることができました。
同時に、より高スペックな新世代 CPU を採用することで処理速度も更に高速になりました。


主な新機能と改良

- CPU
CPUコアが Arm Cortex-A76 4コアへと斬新され、動作クロックも 2.4GHz へと大幅に引き上げられました。
従来の Raspberry Pi 4 シリーズの2〜3倍のパフォーマンスを発揮し、より短時間でより多くのタスクを処理することができます。 - GPU
新世代 VideoCore VII (7) を採用。 - メモリ
より低消費電力で動作する LPDDR4X を採用し、データレートも 4267 MT/sへと引き上げられました。 - イーサネット(有線LAN通信)
より高い消費電力に対応した PoE+ に対応しました。 (別途 PoE+ ハットが必要です) - Bluetooth
超省電力で、最大転送速度2MbpsであるBluetooth 5.0 LEにも標準対応となりました。
対応マウス、キーボードなどはもちろん、各種センサーやスマートフォンなどと効率的な無線を行えます。 - USB ポート
通信帯域が2倍以上に拡張され、2つの USB 3.0 ポートで同時に、USB 3.0 の最大スピード 5Gbps で通信できるようになりました。 (値は論理値です)
搭載ポートは、前モデルと変わらず USB 3.0、USB 2.0 ポートをそれぞれ2ポートずつ合計4ポートです。 - MIPI インターフェース
Raspberry Pi シリーズとして初めて2つの MIPI インターフェースにディスプレイとカメラを自由な組み合わせで接続し使えるようになりました。 カメラ2台、モニタ2台、カメラ1台+モニタ1台の組み合わせでご利用頂け、多様な MIPI 接続デバイスの活用シーンをサポートします。
また、接続レーン数も2倍となる4レーンに増加され、より通信帯域を必要とするデバイスにも対応できます。 - PCIe インターフェース
内蔵デバイスとの接続において高速通信が可能で汎用性のある PCIe 2.0 x1 (シングルレーン) をシリーズ中で初めてサポートしました。
SSD などの内蔵ストレージや LTE モデムなどの通信モジュールを増設する等、通信速度や高度な機能が求められるシーンでも汎用的なモジュールにて対応可能です。 - SD Card インターフェース
最大通信速度が従来の2倍となる 104MB/s に引き上げられ、対応 SD カード規格も UHS-I (SD104) まで引き上げられました。
アクセススピードの向上により、より快適なユーザー体験を実現します。 - 電源
Raspberry Pi 5の推奨電源の出力が、5V、5.0A に増大しています。 USB 電源規格 PD を利用します。
Raspberry Pi 5 に対応した KSY オリジナル USB 電源アダプターの販売も予定しています。 - RTC 機能
今まで外部モジュールに頼らざるを得なかった時刻保持機能を提供する「RTC (Real Time Clock)」 モジュールをオンボードで提供します。
電池を接続することで、電源を供給していなくても時間を保持できるようになり、 Raspberry Pi の利便性がより高まりました。 - 電源ボタン
Raspberry Pi シリーズとして初めてボード上に電源ボタンが提供されました。
より手軽で安全に電源制御を行えるようになりました。 - その他
- パッケージと製品基板に個別のシリアル番号が付記されるようになり、商品のトレーサビリティーが確保されるようになりました。
- 基板上に搭載メモリ量を表す抵抗パターンが追加されました。外観から Raspberry Pi のメモリスペックを安易に判別できるようになりました。
- UART/JTAG 用コネクタが基板上に新設されました。
以前からアクセサリとして販売されています Raspberry Pi Debug Probe が利用できます。 - アクティブ冷却用のファン給電コネクタが基板上に新設されました。
負可に応じてファンの回転速度を制御できます。
仕様
基本仕様
Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 4 Model B | |
---|---|---|
SoC | Broadcom BCM2712 | Broadcom BCM2711 |
CPU | 2.4GHz 4コア Cortex-A76 16nm (ARMv8、64bit、L2: 512KB/core、L3: 2MB/processor) |
1.5GHz 4コア Cortex-A72 28nm (ARMv8、64bit、L1: データ用32KB 命令用48KB/Core、L2: 1MB) |
GPU | VideoCore VII® 800MHz OpenGL ES 3.1、Vulkan 1.2 対応 ハードウェアOpenVG対応 H.265(HEVC)4Kp60 デコード、H.264/VC1/AV1 1080p60 デコード |
デュアルコア VideoCore VI® 500MHz OpenGL ES 3.0対応 ハードウェアOpenVG対応 H.265(HEVC)4Kp60 デコード、H.264 1080p60 デコード / 1080p30 エンコード |
メモリー | 1/2/4/8GB LPDDR4X-4267 SDRAM 2133MHz (製造は4GB、8GBモデルから開始) |
1/2/4/8GB LPDDR4-3200 SDRAM 1600MHz |
RTC (Real Time Clock) | RTCと電池コネクタ | なし |
電源 | USB Type-C ソケット 5V 5.0A PD使用 PoE+ (別売の新PoE HAT が必要) |
USB Type-C ソケット 5V 3.0A PoE (別売の PoE HATが必要) GPIO 2.54mm ピンヘッダ |
消費電力(本体のみ) | アイドル:約2.7W、ストレス: 7.1W (実測値) | アイドル:約3W、ストレス:約6.25W |
サイズ | 85 × 56 × 18mm | |
サポート公式OS | Raspberry Pi OS (旧Raspbian、Debianベース) | |
生産国 | 英国(U.K. Sony) |
インターフェース / 通信
Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 4 Model B | |
---|---|---|
イーサネット | 10/100/1000 Base-T RJ45 ソケット (BCM54213PE) | |
無線LAN | IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4/5GHz デュアルバンド (未公表) | IEEE 802.11 b/g/n/ac 2.4/5GHz デュアルバンド (Cypress CYW43455) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0, Bluetooth Low Energy (BLE) (未公表) | Bluetooth 5.0 (4.2 ready), Bluetooth Low Energy (BLE) (Cypress CYW43455) |
ビデオ出力 | 2 × micro HDMI (最大4Kp60 (出力数に依存せず)) HDR対応、 2 × MIPI DSI 4-lane (22pin 0.5mmピッチ) (カメラ入力と共有) |
2 × micro HDMI (最大4Kp60 (2画面同時出力時 4Kp30))、 1 × MIPI DSI 2-lane(15pin 1mmピッチ)、 コンポジット 3.5mm 4極ジャック(PAL、NTSC) |
オーディオ出力 | 2 × HDMI(ビデオ出力と共有)、 I2Sピンヘッダ |
2 × HDMI(ビデオ出力と共有)、 I2Sピンヘッダ、 3.5mm 4極ジャック |
カメラ入力 | 2 × MIPI CSI/DSI 4-lane (22pin 0.5mmピッチ)(ビデオ出力と共有) | 1 × MIPI DSI 2-lane(15pin 1mmピッチ)(ビデオ出力と共有) |
PCIe | 1 × PCIe 2.0 シングルレーン (FFCコネクタ) | なし |
USB | 4 × USB Type-A ソケット (2 × USB 2.0、2 × USB 3.0) | |
GPIO コネクター | 40ピン 2.54mm ピンヘッダー(26 × GPIO 3.3V 16mA、UART、I2C、SPI、I2S、PWM、5V出力(使用電源に依存)、3.3V出力 50mA(GPIO信号との総和)) | |
ストレージ | micro SDメモリーカード(SDR104)、 M.2 NVMe SSD (別売の M.2 HAT が必要) |
micro SDメモリーカード |
上記仕様は、製造時期やロットにより、実際の製品と異なる場合がございます。
アクセサリ
Raspberry Pi 5 の発表と同時に、次の専用アクセサリも発表されました。
- 27W USB-C PD 電源アダプタ
Raspberry Pi 財団公式の電源アダプタです。
現在のところ法令、規制等に適合した製品は用意されておりません。当店での取り扱いも未定です。
なお、当店では公式に動作認定を受けた電源アダプタの販売を予定しております。仕様
入力 100-240 VAC 出力 5A @5.1V、3A @9V、2.25A @12V、1.8A @15V コネクタ USB-C ケーブル 1.2m 18Awg 色 黒、白 - Raspberry Pi 5 ケース
Raspberry Pi 5 に対応したケースです。
新たに Raspberry Pi 5 の基板上に設けられた FAN コネクタを用いて、冷却ファンを活用した冷却機構を備えます。
カラーは、歴代モデルと同様の赤/白、黒/灰の2パターンが提供されます。 - RTC用リチウム バッテリー
Raspberry Pi 5 に搭載された Real Time Clock (時計機能を提供する)へ電源切断時に給電するための電池です。
Raspberry Pi 5 の基板上に実装されたパワー マネージメント IC は電源接続時に、電池を充電することができます。Panasonic ML-2020 二酸化マンガン リチウム電池からなるこの電池には、Raspberry Pi 5 の基板上に設けられた電池用コネクタに接続するための2ピン プラグも有しています。
また、ケース内またはその他の場所に固定するための両面接着テープが付属します。 - カメラ、ディスプレイ用変換ケーブル
Raspberry Pi 5 は2つの4レーン MIPI コネクタを有し、カメラ、ディスプレイのいずれも接続可能です。
このコネクタは、22ピン 0.5mmピッチのミニ FFC 規格を採用し、旧来の 15pin 1mmピッチ スタンダード FFC 規格を採用する公式のカメラ、ディスプレイ製品との接続には変換ケーブルが必要です。このミニ to スタンダード変換ケーブルは、カメラ用、ディスプレイ用として長さに応じ 200mm、300mm、500mm の3種類、計6製品が用意されます。
カメラ用変換ケーブルをディスプレイの接続に用いたり、逆にディスプレイ用変換ケーブルをカメラの接続に用いることはできません。
ご注意ください。 - ビギナーズガイド
第5版目となる新しい公式ガイドブックは、Raspberry Pi 5 と最新の Raspberry Pi OS 向けに内容がアップデートされました。
英字版は、Raspberry Pi 5 の発表時から入手可能です。
各国向けの翻訳版は、準備が整い次第、順次販売が開始されます。 - Raspberry Pi デスクトップ キット
最新のデスクトップ キットの内容:- Raspberry Pi 5 本体 4GB / 8GB
- Raspberry Pi 5 ケース (赤/白)
- 27W USB-C PD 電源アダプタ
- キーボード
- マウス
- 32GB SD カード
- 2 × micro-HDMI ケーブル
- Raspberry Pi ビギナーズガイド 第5版
- Raspberry Pi 5 PoE+ HAT
Raspberry Pi 5 の物理構造と電源要求をサポートする新しい PoE+ HAT です。
これは、新たに採用された L字レイアウトと低背プロファイルにより、ファンを含めて Raspberry Pi 5 ケースに収めることができます。 - Raspberry Pi 5 M.2 HAT
この M.2 HAT は、Raspberry Pi 5 基板上の PCIe FFC コネクタと M.2 PCIe デバイスや NVMe デバイスとの接続をサポートします。
プレス リリースなど
- ラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)公式サイト
- 日本Raspberry Piユーザー グループ (Japanese Raspberry Pi Users Groupr)
日本Raspberry Piユーザー グループさんでレビューが公開されています。